カスティングのシミュレーション 試行錯誤か、ニア・リアルか？（2）

カスティングのシミュレーション試行錯誤か、ニア・リアルか？

=====Cast-Designer=====

鹿取事務所　鹿取　貞夫

ゲート設計の特別なアプローチ：

ゲート設計の特別なアプローチ：
ワンボタン設計

Cast-Designerはモデルのみを与えたれたとき、「ワンボタン設計機能」はフル・ゲート・システムを即時作成して、解析を試行できる。知識ベース設計の通常ステップも迅速、容易だが、これを利用すれば、定義済みテンプレートで、僅か3ページでフル・ゲート・システムをフレキシブルに、10分程度で完成できる。全てパラメトリックである。データはSTEPファイルでCADシステムにエクスポートできる。

図6　ワンボタン設計テンプレートの一例

ファスト・メッシュ

普通、解析担当者にとっての最初の難関はメッシングである。Cast-Designerの「ファスト・メッシュ」は、全自動で、CAE経験の無い初心者でも簡単にメッシュを作成できる。他の解析システムで要求される事前処理は不要。マルチドメインをサポートするのでBoolean処理またはアセンブリ操作は不要。CADの交差、ギャップ等の欠陥は自動的に修正される。製品モデルのみでもメッシングの対象にできる。メッシングが速いことは大幅な時間短縮になる。

ファスト・メッシュのコンセプトには、モデルの複雑さ、大きさとバランスを取りながら、可能な限り「粗いメッシュ」を利用するという原則がある。要素サイズ2.5mm程度、150,000要素以内を標準とし、しかも必要精度を維持すべく調整をはかる。

「円滑化」技術によって、メッシュとCADを図形的にマッチさせる。

「ローカル・メッシュ」技術は、湯口付近、薄肉領域その他の関心領域に対しては、その部分の解析精度を高める。関心部分のみを細かくすることで、かえって全体のデータ量を抑制できる。

図8　円滑化六面体メッシュ

ファスト・クーリング

Cast-Designerのクーリング検証の素早さは見る人に驚きを与える。冷却経路は一旦設計されると、修正、解析、再修正に多大の手間と時間が浪費される。設計初期段階で妥当な結論を得ておけば、この経済効果は大きい。

図7　ファスト・クーリング

CAST-DESIGNER vs 在来のCAD & CAE

次の事例に対して方案決定に達するまでの所要時間を、在来CAD+CAEとCast-Designerの間で比較してみる。（図9）

表1　在来のCADとCAEとCast-Designerの所要時間の表

おわりに

　今回はCast-DesignerのFEMの速さと精度のメリットを概略紹介した。次回以降に、Cast-Designer Basic（ゲート・システム設計CAD）の詳細と、サイクル解析および、オプションとして熱、フロー、ストレス（変形）のシミュレーションなどを紹介する。Cast-Designerは高度解析においても他のCAEにはるかに優る速度と精度を持つ。

しかし、設計早期段階で複数方案を短時間に検証するCast-Designerは、実際に即しており、大きな経済的効果をユーザーにもたらすものである。

Cast-Designerは、企業の投資負担が最も少ないソフトウエアでもある。CADとCAEの分離投資も可能であり、短期間に学習できることは、大企業、中小企業を問わず導入を容易にする。さらに、高度解析は委託解析、集約によって人的コストの節減をはかることも、有効であり、欧米では一般的な期限付ライセンスの利用も可能である。弾力的な活用が望まれる。

鹿取事務所

〒222-0002　横浜市港北区師岡町1062-3

http:www.imold.jp

メール：katori@imold.jp

Cast-Designer開発元(資料提供)：

C3PInternational Co. Ltd.

USA, Hong Kong, Qunazhou

全文完

欢迎关注我们：